家に居る時間が長いと、ついついスマートフォンやパソコン、ゲームにかじりついて、気が付けば1日が終わる・・そして、せっかくのお休みのはずなのにぐったり疲れ切っている・・そんなことは無いですか?
特に、SNSやインターネットの長時間の利用は、精神的に大きな影響を与えることがあります。
そんなときはデジタル機器から離れて瞑想を!
「でも、目をつぶっても、なかなか集中できないんです」
「どうやって、瞑想したらよいのかいまいちわからない」
そんな声もよく聞きます。
きっとそれは、自分に合った瞑想方法ではないからかもしれません。私も数年間、瞑想の正解が解らず集中することができませんでした。
私が実際にクラスで行っている、初心者でも実践しやすい瞑想法も交えながら、ご紹介します。
瞑想の効果
瞑想が良い、という話は最近よく耳にしますが、実際何が良いの?という声をよく聞きます。
スピリチュアル的で、なんだか怪しいと思っている方も多いかもしれませんが、現在アメリカなどでは、脳画像研究などの技術の発達により、科学的に効果があるものとして証明されています。
では具体的にどのような効果があるのでしょうか。
◇瞑想の効果
・リラックス効果、ストレスの軽減
・不眠の解消、睡眠の質の向上
・うつや不安の緩和
・集中力や生産性アップ
・眼精疲労や脳の疲労の改善
など
ヨガにおける瞑想の意味や目的
本来、ヨガの練習の目的は「瞑想状態を保つ」ことです。
そのために、様々なポーズで身体をほぐし、呼吸法で心をほぐし、深い瞑想に入るための準備をしていくのです。
瞑想とは「状態」のこと
よく皆さんが勘違いしていることなのですが、ただ目をつぶって座ることは瞑想ではありません。
それは瞑想の前段階の「心を落ち着けて一点に集中しているだけ」。
本来、ヨガにおける瞑想の意味とは、「その状態に居続けること」です。
ヨガの教科書でもある「ヨーガスートラ」では、8支則というヨガの練習8段階の方法が記されていますが、その後半部分です。
第六段階 「凝念(ぎょうねん)」= ダーラナー
凝念は、心をある一点にとどめて動かさないことです。この凝念と次の静慮、三昧の段階は実際には、はっきり分割できない一連の心理的流れとなり、一括して<統制(サンヤマ)>とよばれます。ここでは、主にロウソクの炎とか、特定の図形や、自分のみけんの一点に心を集中するとか、ひとつのテーマにイメージを集中する方法などを用います。この領域は、ヴィジナーナマヤ・コーシャ(理智鞘)の調整に入ってきます。
ヨーガスートラにおいては「凝念(ダラーナ)とは、心素(チッタ)を特定の対象物(場所)に縛り付けておくことである。」(Ⅲ-1)と述べられている。
第七段階 「静慮(じょうりょ)」= ディヤーナ
凝念で一点に集中していた心が、その対象と同化し始め、それを中心にして、日常の意識を超えてある種の「洞察」や「ひらめき」が起こり、広く深く、自由に展開されていく状態のことです。その直感的映像や思考は、やがて自我の認識領域を越えて、新たなる「生命の智」をもたらす領域へと導いていきます。この「ディヤーナ」を中国で音訳し「禅那」となり、日本に渡って「禅」となっています。この領域は、ヴィジナーナマヤ・コーシャ(理智鞘)の中心的調整作業に入ってきます。
ヨーガスートラにおいては「その対象に対する想念が、ひとつの不断の流れになっているのがディヤーナ(静慮)である。」(Ⅲ-2)と述べられている。
第八段階 「三昧(さんまい)」= サマーディ
自我の認識領域を越え、「生命の智」をもたらす領域の中に入ります。「梵我一如」の心境で対象も主体も、ともに合一した状態をいいます。仏教では、これを<空>といいあらわしていますが、この境地は「なにもない」という意味ではなく、直感的洞察や啓示の場であり、宇宙的意識の働く空間でもあります。そこでは、きわめて鮮明で充実した内容をもって、その味わいは、まさに新たな生命感と、宇宙的啓示と、感涙の時となります。ここは、アーナンダマヤ・コーシャ(歓喜鞘)の開示される領域になってきます。
ヨーガ・スートラにおいては、この体験を「真我がその周囲を取り巻いている自然的存在と自分とを混同していた過失に気づいて、その束縛から脱出することである」と説明しています。
パタンジャリのヨーガスートラ
タイプ別オススメ瞑想誘導法
では、実際にどうやったらいいのか?ということなのですが・・
要は「目を閉じて、頭を空っぽにして、そこに居続ける」
ということなのですが、これはかなりの集中力が必要となります。(だからヨガでも最後に練習します)
眼を閉じたとたん、いろんなことが気になったり頭に浮かんできたり、眠くなったり・・
全然集中できないんですけどー!!というのが実際のところ。
深い瞑想に入るのは、意志と集中力をもって練習も必要ですが、その前にまずは入りやすい瞑想の誘導方法をヨガのテクニックも交えながらご紹介します。
妄想好きの方にオススメ
妄想好きの右脳派の方には、イメージを使った瞑想の誘導がお勧めです。
もし、軽く目を開けていた方がイメージしやすい場合は、ぼーっと目をあけながらでも良いかもしれません。
呼吸の通り道をイメージ
①楽な姿勢で座り、目を閉じます。
②吸う息が仙骨のあたりに入るのを感じ、吐く息が頭頂部に登るのを感じます。
③何度も繰り返しながら、頭頂が光で包まれていくのをイメージします。
光のイメージ
①楽な姿勢で座り目を閉じます。
②両手を膝の上に置き、両手の上に光の玉を乗せていることをイメージします。
③光の球体の温かさを感じながら、両手が温かくなっていくのを感じます。
④光の球体の重力を感じながら、ゆっくりを手を胸の高さまで持ち上げて、最後に顔や胸に手をかざし、手のひらの熱やエネルギーを感じてみます。
意図のイメージ(特に想像力豊かな方)
①楽な姿勢で座り、目を閉じた状態で目と目の間のあたりに焦点を合わせます。
②何か自分が1つ意図することを頭に描きます。(もしくは聞いてみたいこと)
③その答えが、映像や文字、声が浮かんでくるまで待ちます。
1点集中!まじめさんにオススメ
先ほどのヨーガスートラ第6章でも記載してある練習法です。
ろうそくの火を一点見つめる、もしくは曼荼羅の絵を見つめる、もしくはインドの神様を見つめる一点集中の瞑想方法。
①楽な姿勢に座り、対象物を目の高さぐらいに置きます。
②できるだけ瞬きをせず、薄目で対象物を見つめ続けます。
③視覚的に残像が残るぐらい見つめ続けたところで目を閉じ、その残像に意識を集中し続けます。
集中力低めさんには、まずこれを
結局、どれもすぐに飽きてしまうという方は、まずはリラックスした音楽でも聴きながら心とカラダの緊張を取ってみて下さい。
アロマの好きな方、臭覚の優位な方は、匂いを嗅ぐことだけに集中してみる
音の好きな方、聴覚の優位な方は、瞑想誘導音楽なども使いながら音だけに集中してみる
視覚の優位な方は、好きな絵や花、庭の風景など(出来れば静止しているもの)を見続けてみる
得意なこと、好きなことから始めるのが瞑想を好きになるコツかもしれません。
見続ける、聞き続けた後に感じるちょっとした感覚や感情を感じ取ってみましょう。
本来の自分の本質に近づく一歩になりますよ。
ヨガ的!瞑想誘導の方法
ヨガにおける伝統的な瞑想の誘導方法は以下になります。
・プラーナヤーマメディテーション・・・呼吸に意識を集中
・マントラメディテーション・・・言葉を唱えながら意識を集中する
・ジャパメディテーション・・・マーラーという108粒の数珠を使って意識を集中する
・トラタカ・・・ろうそくを見つめ続けて意識を集中する
・チャクラメディテーション・・・エネルギーポイントに意識を集中する
まとめ
いいかがでしたか?
ただ目を閉じて座っているだけでも充分に休息効果はありますが、もう一歩踏み込んだ実践を行ってみると、瞑想の面白さを感じることができるかもしれません。
今では様々な瞑想のテクニックも紹介誰ていますので、時間のある時に、ゆっくり「自分にあった瞑想法」をさがしてみてはいかがでしょうか。
私も瞑想を積極的に取り入れるようになってから、変化していく方を何人も目の当たりにし、驚くばかりです。(皆さん初心者)
瞑想を習慣にすることによって、驚くような変化が体感できるかもしれませんので、是非、挑戦してみて下さい!