南インドやスリランカの伝承医学でもあるアーユルヴェーダ。
ハーヴやオイルを使って心身を整える古来から伝わる方法です。
現在ではWHO(世界保健機構)も認める伝統医療は先人たちの叡智の終結です。
そんなスリランカの治療院のレシピでバナナブレッドを作ってみました!
アーユルヴェーダの概要
古代インドで5000年もの歴史を持つアーユルヴェーダは、簡単に言うと「自分らしく、幸せに生きる」ための智慧を集めたもの。
本来の自分の資質(体質や傾向)を知り、それを活かすことが大切だと教えています。
現代のストレス社会では、その本来持って生まれた資質が生かしきれず、病気になったり人生にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
(また、アーユルヴェーダの理論については別の機会に)
食事が身体を作る5つの方法とは
アーユルヴェーダでは、人の身体や心、生きるエネルギーは食物によって作られると考えられています。
それぞれの体質や症状にあった適切な食事は、薬よりも大切であると考えます。
インドなのでカレーなどが中心となった食事が多いですが、調理法や使うハーブを変えて体質を変えていくという方法が一般的です。
アーユルヴェーダが考える理想の食事スタイルについてご紹介します
自分の体質をチェックする
アーユルヴェーダでは、人には3つのエネルギーがあると考え、そのエネルギーがどのように存在するのかによって体質を判断します。
- ヴァータ・・・風の性質
- ピッタ・・・・火の性質
- カパ・・・・水の性質
毎食、きちんと消化できる量を食べる
前の食事がきちんと消化され、お腹がすいてから食事をすることが大切と考えます。前の食事が未消化のまま、新たな食事をすると消化不良となり、アーマという体内毒素が溜まり不調の原因を引き起こすとされています。
食事の量は、季節や体質により異なりますが、消化力の一番高い昼えおメインに食事をいただきます。
新鮮な素材で、作りたてを食べる
当たり前ですが、料理は新鮮かつ良質な栄養のある素材を使うとされています。
また、冷たいものを食べると消化力が弱まるので、できるだけ温かいものを食べるようにします。作りたての温かい食事は心の質も高めます。
6つの味と良質な油を適量摂る
アーユルヴェーダの3つのエネルギーの質を整える方法として、1度の食事で6つの味(甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味)を摂ることを推奨しています。それに加え、良質の油を適量とることも進めています。
幸せな気分で食事をする
ストレスを抱えたり、怒りながら食べると消化力が低下します。心のこもった食事を満ち足りた気持ちで食べるように心がけましょう。また、食べる時はそれに集中し、長すぎず短すぎずが理想です。
3つのエネルギーの特徴
3つのエネルギーの特徴については以下の通りです。
五大元素 | 性質 | 性格 | 体質 | 体型 | |
ヴァータ (運動エネルギー) 体内の運搬や循環 全ての機能活動の調整 |
風・空 | 軽 動 速 冷 乾燥性 | 機敏・活発 理解力・順応性あり 想像力豊か・飽きっぽい・イライラしやすい・ストレスを受けやすい・緊張しやすい | 便秘がち 冷え性・寒がり・不眠 乾燥肌・頭痛・高血圧 肩こり・生理痛 | やせ型 小柄か大型 骨格が華奢 太りにくい |
ピッタ (消化のエネルギー) 消化や代謝の調整 |
火・水 | 熱 鋭 軽 液 微油性 | 情熱的・知的 勇気がある リーダータイプ 怒りっぽい 完璧主義・見栄っ張り | 快食・快便 柔軟・目の充血・髪にコシがない・皮膚発疹・消化器疾患・下痢 | 筋肉や骨が発達・スタイルが良い・体が柔らかい・ |
カパ (細胞の構成) 身体の内部環境の維持 免疫力の支配 |
水・地 | 重 油 遅 冷 安定性 | 心が落ち着いている 辛抱強い・着実 魏愛に満ち献身的 執着する・鈍感・惰性 おおざっぱ・頑固・保守 | 体力、持久力がある・肥満しやすい・痰・鼻水・鼻つまり・糖尿病・気管支炎 | 体格がよい 筋肉や臓器が発達・太りやすい・色白 |
正確な判断方法は、脈診とアンケートがありますが、生まれながら持ち合わせたエネルギーのバランスより、現在の生活習慣が大きくかけ離れた時にもとのバランスに戻すように調整していきます。
バランスが崩れる原因としては、季節や時間帯、年齢なども大きく影響してきます。
アーユルヴェーダ料理に欠かせないもの
南インドやスリランカの南国で主に使われているアーユルヴェーダ料理を代表するハーブや食材です。
ハーブに関しては、自宅で栽培していることも多く、自宅のフレッシュハーブやお野菜を使って作ることが多いのだそうです。
- ココナッツ・・・脂質やビタミンを多く含む。パウダーやオイルなど様々な方法で料理に取り入れられています。
- クミン・・・せり科の一年草。消化不良改善や鎮痛作用、吐き気や下痢の改善
- コリアンダー・・柑橘系の甘く爽やかな香り。食欲増進や消化促進、発熱や風邪に効果的。
- ターメリック・・・ショウガ科。和名は「うこん」抗菌、血液浄化、解毒、強壮、肝臓の働きを助けます。
- カルダモン・・・スパイスの女王といわれており、薫り高く良質。食欲増進、消化不良、健胃、呼吸器、ストレス緩和に効果的。
- シナモン・・・クスノキの樹皮をはぎとって乾燥させたもの。消化促進、鎮静作用、強壮効果、食欲増進、殺菌、解毒、血糖値の上昇抑制に効果的。
- クローブ・・・強く甘い芳花とやや刺激のある風味が特徴。健胃、消化促進、殺菌、消臭、口内の殺菌、歯茎の痛みに効果的。
- フェンネル・・・セリ科。甘く爽やかな香りで、食欲増進、母乳分泌の促進、利尿、咳、吐き気、口臭予防にも効果的。
- 赤唐辛子・・・適量であれば身体を温めるが、大量に摂ると汗が出て、かえって身体を冷やす。コレステロールの低下や、関節痛の軽減、胃潰瘍の予防に効果的。
- こしょう・・・「黒コショウ」「白コショウ」2種類あるが、ともに消臭効果と、消化促進効果がある。
【作ってみた】アーユルヴェーダのバナナブレッド
卵、乳製品不使用で簡単ヘルシーなクイックブレッドです。
今回はおやつ用に砂糖が多めですが、お好みで調整してください。バナナは完熟がお勧めです。
*効果
甘味があり、身体を冷やす性質と、身体の組織を強くする栄養を含み、卵を使っていないので消化が良くアグニ(消化力)を低下させません。不眠症、貧血、胸やけ、うつ病、胃潰瘍を和らげます。(V↓/P↓/K↑↑)
◇材料(15cmスクエア型1台分)
・バナナ(完熟)・・・250g
・砂糖・・・・・150~170g
・サラダ油・・60cc
Ⓐ
〇全粒粉(薄力粉)・・・250g
〇ベーキングパウダー・・・小さじ1/2
〇ベーキングソーダ・・・小さじ1/2
◇作り方
1 ボウルにバナナと砂糖を入れ、ハンドミキサーでバナナが完全につぶれ、ペースト状になるまでよく混ぜる。
2 1にサラダ油を加えてさらに混ぜたらⒶの粉類をふるい入れ、ゴムベラでざっくり混ぜる。
3 オーブンシートを敷いた型に流しいれ、170~180℃に予熱したオーブンで50分焼く。竹串を刺して生地がつかなければ完成。
私はざっくりと、バナナ3本で作りました(笑)
ハンドミキサーが壊れているので、スプーンで潰してひたすら混ぜ混ぜ・・
お砂糖は「素焚糖」という、さとうきび原料のものを使用しています。150gでもかなり甘くなりました。食事用なら半分ぐらいでも良いかもしれません。
全粒粉とバナナだけの素朴な味わいです。お子様も好きなお味ですのでよかったらお試しください。
まとめ
アーユルヴェーダは生活にとても密着した考え方です。
現代に起こりやすい生活習慣病の改善にとても効果的な知恵がたくさん詰まっています。これからも少しずつご紹介していきたいと思います!
参考文献:アーユルヴェーダ治療院のデトックスレシピ